この用語集の使い方
言葉は5つの分野に分けています。気になる分野から読んでください。くわしい記事があるものは、言葉の説明の最後にリンクを付けています。
- 1. 法定雇用率と数え方(11語):法定雇用率・実雇用率・常用労働者・算定基礎・除外率・ダブルカウント・短時間など
- 2. 国への報告と指導(4語):ロクイチ報告・雇入れ計画作成命令・勧告と特別指導・企業名公表
- 3. お金(7語):納付金・調整金・報奨金・特開金・トライアル雇用など
- 4. 採用と定着を支えるしくみ(10語):合理的配慮・ジョブコーチ・就業・生活支援センター・A型とB型など
- 5. 雇用の形と外部のサービス(8語):特例子会社・グループ適用・サテライトオフィス・農園型・在宅・代行・もにす認定
- 間違えやすい言葉の組み合わせ
1. 法定雇用率と数え方
「何人雇えばいいか」を決める言葉です。分母(会社の労働者の数)と分子(障がいのある方の数)で、数え方が少しずつ違います。
法定雇用率
法律で決められた、会社が雇用しなければならない障がいのある方の割合です。民間企業は2026年7月から2.7%(それまで2.5%)で、常用労働者が37.5人以上の会社に雇用の義務があります。2.0%(2013年4月)→2.2%(2018年4月)→2.3%(2021年3月)→2.5%(2024年4月)と、段階的に上がってきました。くわしくは大阪の法定雇用率の達成状況。
法定雇用障害者数
会社が雇用しなければならない人数です。下の「算定の基礎となる労働者数」に法定雇用率をかけて出し、1人未満は切り捨てます。たとえば120人の会社なら、120×2.7%=3.24で3人です。御社の人数は法定雇用率の計算ツールで確かめられます。
実雇用率
会社が実際に雇用している割合です。障がいのある方の数(下の数え方で数えた数)を、算定の基礎となる労働者数で割って出します(小数第3位を四捨五入)。雇用している数が法定雇用障害者数に足りない状態(不足が1人以上)が「未達成」です(1人未満は切り捨てるので、実雇用率が少し下回っていても達成のことがあります)。大阪府の民間企業の実雇用率は2.45%(全国2.41%、令和7年6月1日現在)。計算のしかたはロクイチ報告の書き方で、記入例つきで説明しています。
常用労働者(常用雇用労働者)
雇用契約の形にかかわらず、週の所定労働時間が20時間以上で、1年を超えて雇用する見込みのある人です。パート・アルバイト・契約社員も、この条件に当てはまれば入ります。週20時間未満の人は入りません。
算定の基礎となる労働者数(算定基礎)
法定雇用障害者数や実雇用率を出すときの「分母」です。週30時間以上の常用労働者を1人、週20時間以上30時間未満の短時間労働者を0.5人として足し、除外率のある業種では、その割合の分を引いた数です。社員名簿の人数とは違う数になることが多いので、ご注意ください。
除外率
障がいのある方が働くことが一般的に難しいとされてきた業種で、労働者の数から一定の割合を差し引ける制度です。廃止に向けて段階的に縮小されていて、2025年4月に各業種一律10ポイント引き下げられました(10%以下だった業種は対象外に)。引き下げ後は、たとえば建設業10%、医療業20%です。
ダブルカウント
重度の身体障がい・重度の知的障がいのある方が週30時間以上働く場合に、1人を2人として数えることです。同じ方が週20〜30時間なら1人、週10〜20時間なら0.5人。重度かどうかは、身体障害者手帳の1・2級など、療育手帳の「A」(またはそれに当たる判定)で確かめます。
短時間労働者(0.5人の数え方)
週20時間以上30時間未満で働く人です。分母では0.5人と数えます。障がいのある方を数えるときは、身体・知的(重度以外)は0.5人、重度は1人、精神障がいのある方は特例で1人です(2023年4月から当分の間)。数え方の早見表は勤務時間と給与の決め方にあります。
特定短時間労働者(週10〜20時間)
週10時間以上20時間未満で働く人です。2024年4月から、重度の身体障がい・重度の知的障がい・精神障がいのある方は、0.5人と数えられるようになりました(就労継続支援A型の利用者は除く)。分母の常用労働者には入りません。短い時間から始めて、少しずつ延ばす働き方がしやすくなっています。
障害者手帳(雇用率で数えるときの確認書類)
身体障がいは身体障害者手帳(1〜6級など)、知的障がいは療育手帳か判定機関の判定書、精神障がいは精神障害者保健福祉手帳(有効期限2年)で確かめます。精神障がいは手帳を持っている方だけを数え、診断書では数えません。確認した書類の写しは、退職などの日から3年保存します。くわしくは障害者手帳の確認方法。
プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン
社員の障がいを会社が確かめるときの、国の指針です。採用後に確かめるときは、全員に同じ方法で呼びかけるのが原則(一斉メール・社内報など)。うわさや健康診断の結果をもとに、個人を特定して聞くことはしません。「手帳を持っているのに申告していない社員がいるかもしれない」というときも、この指針に沿って進めます。
2. 国への報告と指導
毎年の報告と、雇用が足りないときに受ける指導の言葉です。流れは「報告 → 雇入れ計画作成命令 → 勧告 → 特別指導 → 企業名公表」の順です。
ロクイチ報告(障害者雇用状況報告)
毎年6月1日現在の障がい者雇用の状況を、7月15日までに、本社を管轄するハローワークへ報告するものです。2026年の報告は常用労働者40.0人以上の会社が対象で、2.7%に上がったあとの2027年6月1日の分からは37.5人以上になります。障がいのある方が0人でも報告します。報告しない・うその報告は30万円以下の罰金の対象です。くわしくは障害者雇用状況報告書の書き方と記入例。
雇入れ計画作成命令
雇用が大きく足りない会社に、ハローワークが2年間の雇入れ計画を作るよう命じるものです。6月1日現在で、①実雇用率が全国平均より低く不足が5人以上、②不足が10人以上、③法定雇用障害者数が3〜4人で雇用が0人、のどれかに当てはまると対象になります(大阪労働局の資料)。令和6年度は全国で446社に出されました。
適正実施勧告・特別指導
計画の1年目の12月1日現在で、計画の実施率が50%未満、または実雇用率が前の年の6月1日より上がっていないと「適正実施勧告」を受けます。計画期間が終わっても雇用の改善が特に遅れている会社は、企業名の公表を前提とした9か月の「特別指導」を受けます。令和6年度は、勧告62社・特別指導37社でした。
企業名公表
特別指導のあとも雇用が改善しない会社の名前を、厚生労働省が公表することです(障害者雇用促進法 第47条)。公表された会社は、令和4年度5社、令和5年度1社、令和6年度0社。命令から公表までには、2年間の計画と9か月の特別指導をはさみます。来年の6月1日から逆算する進め方は雇入れ計画作成命令から企業名公表まで。
3. お金(納付金・調整金・助成金)
足りないときに納めるお金と、多く雇っているとき・雇い入れたときに受け取れるお金の言葉です。金額は令和8年度のものです。
障害者雇用納付金
常用労働者が100人を超える会社で法定雇用率を下回っていると、不足1人につき月5万円をJEED(独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構)に納めるお金です。「罰金」と呼ばれることがありますが、罰金ではなく、納めても雇用の義務はなくなりません。申告は翌年度の4月1日〜5月15日(令和8年度分は2027年4月1日〜5月17日)。くわしくは障害者雇用納付金とは、100人以下の会社は障がい者雇用の罰金(納付金)は100人以下も払う?
障害者雇用調整金
常用労働者が100人を超える会社が法定雇用率を上回って雇用しているとき、超えた1人につき月2万9千円が支給されます(年120人月を超える部分は2万3千円)。納付金と同じ時期に、JEEDへ申請します。
報奨金
常用労働者が100人以下の会社が、一定の数(各月の常用労働者数の4%の年度合計か、72人月の多いほう)を超えて雇用しているとき、超えた1人につき月2万1千円が支給されます(年420人月を超える部分は1万6千円)。この基準は法定雇用率より高いため、法定雇用率を少し上回るだけでは対象にならない点が、調整金と違います。
特開金(特定求職者雇用開発助成金)
ハローワークや、労働局に届出をした職業紹介事業者などの紹介で、障がいのある方を継続して雇用したときの助成金です。中小企業が週30時間以上で雇う場合、身体・知的障がい(重度以外・45歳未満)の方は120万円(2年)、重度・45歳以上・精神障がいの方は240万円(3年)。中小企業以外や短時間は、これより少ない額です。6か月ごとに申請します。障がい者雇用の助成金の中心です。一覧は障がい者雇用の助成金一覧(令和8年度)。
障害者トライアル雇用(障害者トライアルコース)
本採用の前に、原則3か月(精神障がいは原則6〜12か月)、試しに雇用する制度です。ハローワークなどの紹介が前提で、1人月最大4万円(精神障がいは最初の3か月が月最大8万円)が支給されます。週10〜20時間から始めて20時間以上をめざす「障害者短時間トライアルコース」もあります。くわしくは障害者トライアル雇用とは。
キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)
障がいのある有期雇用・無期雇用の社員を正社員などに転換したときの助成金です。有期から正社員への転換で、重度・精神障がいのある方は120万円、それ以外の方は90万円(中小企業以外の会社は90万円・67.5万円)。有期から無期、無期から正社員への転換は、これより少ない額です。働き続けるうちに「次の働き方」が見えると、定着にもつながります。
障害者雇用相談援助事業
労働局長の認定を受けた事業者が、障がい者雇用に取り組む会社に、雇い入れや定着の相談援助を行う国の事業です(2024年4月から)。助成金(障害者雇用相談援助助成金)は、相談した会社ではなく、援助を行った事業者に支給されます。
4. 採用と定着を支えるしくみ
採用の前後で、会社と働く方を支える制度や機関の言葉です。大阪府にも、会社が相談できる窓口がいくつもあります。
合理的配慮
障がいのある方が働くうえでの支障を取り除くために、会社が一人ひとりに合わせて行う調整です。障害者雇用促進法で、募集・採用のときと採用後の両方で行う義務があります(2016年4月から)。中身は、ご本人と話し合い、意向を尊重して決めます。障がい別の例は合理的配慮とは。
過重な負担
合理的配慮の例外です。事業への影響、実現の難しさ、費用、会社の規模、財務状況、公的な支援があるかの6つで判断します。過重な負担にあたる場合でも、過重にならない範囲で配慮を行います。
ジョブコーチ(職場適応援助者)
障がいのある方の職場に出向いて、ご本人と会社の両方に、職場に慣れるための専門的な支援をする人です。地域障害者職業センターの「配置型」、福祉の法人などに所属する「訪問型」、会社が自社の社員を養成する「企業在籍型」の3つがあり、支援の中心を少しずつ上司や同僚に移していきます。訪問型・企業在籍型には、JEEDの助成金があります。
障害者就業・生活支援センター
障がいのある方の身近な地域で、仕事と生活の両方の相談・支援をまとめて行う機関です。会社には、障がいの特性をふまえた雇用管理の助言もします。大阪府内には18か所あり、大阪市(淀川地域)、とよなか、すいた、豊能北(池田・箕面・豊能・能勢)などのセンターがあります。
就労移行支援
一般の会社で働きたい障がいのある方が、訓練、求職活動の支援、職場探し、就職後の定着の相談を受けられる福祉サービス(障害者総合支援法)です。利用期間は標準2年。就職に向けて準備をしている方が利用していて、会社の採用の相談先にもなります。
就労継続支援A型
一般の会社で雇用されるのは難しいものの、雇用契約を結んで働くことができる方に、雇用契約を結んで働く場と訓練を提供する福祉サービスです。利用期間の制限はありません。
就労継続支援B型
雇用契約を結んで働くことが難しい方に、雇用契約を結ばずに働く機会と訓練を提供する福祉サービスです。利用期間の制限はありません。ぷれいすGROUPも大阪・北摂でB型を運営していて、B型の作業の中で訓練を重ねて働く準備を整え、サテライトオフィスでの雇用に進んだ方もいます(CASE 03)。
就労定着支援
就労移行支援などを利用して一般の会社に就職した方が、働き始めて6か月を過ぎたあと、最長3年、生活面の課題の相談や、会社・医療機関などとの連絡調整を受けられる福祉サービスです。
職場実習
採用の前に、障がいのある方に職場で仕事を体験してもらうことです。障がい者を雇ったことがない(または過去3年雇っていない)会社などが、ハローワーク等の依頼で受け入れる場合は、JEEDの「障害者職場実習等支援事業」で、実習生1人あたり日額5,000円などの支援があります(原則3〜10日・開始の1か月前までに申し込み)。くわしくはトライアル雇用と採用前の実習。
就労準備性(働く準備)
安定して通えること、体調や生活を自分で整えられること、自分の特性や助けてほしいことを説明できることなど、一般の会社で働き続けるための土台のことです。私たちが面接に同行するとき、いちばん確かめるのは「自己理解」と「出勤の安定」の2つです。くわしくは障がい者雇用の求人と面接のコツ。
5. 雇用の形と外部のサービス
どこで、どんな形で雇用するかの言葉です。どの形でも、雇用主として決めることは会社に残ります。
特例子会社
障がいのある方の雇用に特別に配慮した子会社です。厚生労働大臣の認定(窓口はハローワーク)を受けると、子会社で働く方を親会社の雇用として数えられます。障がいのある方を5人以上かつ従業員の20%以上雇用し、そのうち重度の身体障がいのある方と、知的障がい・精神障がいのある方を合わせて30%以上であること、専任の指導員の配置などの要件があります。サテライトオフィスとの比べ方は特例子会社とサテライトオフィス。
グループ適用(関係会社特例・関係子会社特例)
グループの会社をまとめて実雇用率を計算できる特例です。特例子会社を持つ親会社が、ほかの子会社も含めて計算するのが「関係会社特例」。特例子会社がなくても、すべての子会社(2社以上)を含めてグループで計算するのが「関係子会社特例(企業グループ算定特例)」で、子会社ごとにも一定数の雇用が必要です。どちらも厚生労働大臣の認定が要ります。
事業協同組合等算定特例
中小企業が事業協同組合などを通じて共同で障がい者雇用を進め、認定を受けると、組合と組合員の会社(常用労働者37.5人以上)をまとめて実雇用率を計算できる特例です。組合自身が障がいのある方を1人以上・組合の労働者の20%以上雇用していること、組合員の会社が2社以上あること、組合と組合員の会社のあいだに人の交流や仕事の発注などのつながりがあることなどが要件です。
サテライトオフィス型の雇用
雇用した障がいのある方が、サービスを行う事業者のオフィスで、会社の仕事をする形です。雇用するのは会社で、仕事の指示・評価も会社。事業者の支援員がそばで毎日の様子を見守ります。NEXTぷれいすは、新大阪の隣の東三国で大阪のサテライトオフィスを運営しています。選ぶときの見方はサテライトオフィスの選び方。
農園型
事業者が運営する農園で、雇用した障がいのある方が野菜などを育てる形です。収穫物は社食や福利厚生などに使う例があります。まとまった人数を雇用しやすい一方、多くの会社にとっては本業とは別の仕事になります。ほかの形との違いは農園型・サテライト・在宅・代行の比べ方。
在宅雇用
雇用した障がいのある方が、自宅で会社の仕事をする形です。通勤の負担がなく、住んでいる場所に関係なく採用しやすい一方、仕事の指示と報告の流れを会社がつくる必要があります。始め方は障がい者雇用の在宅勤務の進め方、指示の出し方は離れた場所で働く社員への指示の出し方。
障がい者雇用代行(障害者雇用ビジネス)
働く場所や仕事、毎日の管理などをまとめて事業者が提供し、会社の障がい者雇用を支えるサービスの呼び方です。法律で決まった言葉ではなく、国の審議会では「障害者雇用ビジネス」と呼ばれています。2026年8月、事業者に届出の義務を設け、利用する会社がロクイチ報告で就業場所・事業者・業務内容などを報告する案が示されました(2026年11月時点で、法律は変わっていません)。NEXTぷれいすの考え方は障がい者雇用の「代行」と「サポート」の違い。
もにす認定
障がい者雇用の取り組みが優良な中小企業(常用労働者300人以下)を、厚生労働大臣が認定する制度です(正式には「障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度」)。50点満点で20点以上、法定雇用障害者数以上を雇用していることなどが条件で、認定マークを商品や広告などに表示でき、厚生労働省や労働局のホームページにも載ります。大阪府で認定を受けている会社は32社です(2026年6月1日時点)。
間違えやすい言葉の組み合わせ
取り違えやすい言葉の組み合わせです。
| 組み合わせ | 違い |
|---|---|
| 法定雇用率 と 実雇用率 | 法定雇用率は「目標」(民間企業2.7%)、実雇用率は「いまの実績」。達成かどうかは、法定雇用障害者数に足りているかで決まります。 |
| 納付金 と 罰金 | 納付金は100人超の会社が不足分を納めるお金で、罰金ではありません。罰金(30万円以下)の対象になるのは、ロクイチ報告をしない・うその報告をしたとき、雇入れ計画の作成命令に従わないときなどです。 |
| 調整金 と 報奨金 | 調整金は100人超の会社、報奨金は100人以下の会社が受け取るお金。報奨金は「4%か72人月」という別の基準を超えた分が対象です。 |
| 短時間 と 特定短時間 | 短時間は週20〜30時間(分母に0.5人で入る)、特定短時間は週10〜20時間(分母には入らず、重度・精神の方だけ0.5人で数える)。 |
| 特例子会社 と グループ適用 | 特例子会社は、障がいのある方の雇用に特別に配慮した子会社(5人以上・従業員の20%以上)そのもの。グループ適用は、ほかの子会社も含めて計算する特例です。 |
| A型 と B型 | A型は雇用契約を結んで働く、B型は雇用契約を結ばずに働く福祉サービス。会社の雇用率に数えるのは、会社が雇用している方です。 |
| 代行 と サポート | 名前ではなく、働く方が「誰の仕事をするか」で比べます。NEXTぷれいすは、御社の仕事を切り出し、御社の社員として働いていただくサポートの立場です。 |
言葉が分かったら、次は御社の数字です。何人必要かは計算ツールで、いつ何をするかは年間スケジュールで確かめられます。ほかの記事は人事担当者ガイドにまとめています。
