この記事で分かること
- 納付金を納める会社と、金額の決まり方
- 申告の時期と、調整金・報奨金
- 2.7%への引き上げで、金額がどう変わるか
障害者雇用納付金とは
障がいのある方を雇うには、職場の設備や体制づくりなどの負担がかかります。障害者雇用納付金は、法定雇用率を下回っている会社から納付金を集め、法定雇用率を超えて雇っている会社への調整金・報奨金や、障がいのある方を雇う会社への助成金にあてることで、会社どうしの負担をならす制度です(障害者雇用促進法)。罰金ではありません。そして、納付金を納めても、雇用の義務はなくなりません。
2026年10月21日の国の審議会では、100人以下の会社(まずは80〜100人未満で、障がいのある方を1人も雇っていない会社)にも納付金を広げる案が示されました(100人以下の会社への納付金の案)。まだ案の段階です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 前の年度に、常用労働者が100人を超える月が5か月以上ある会社 |
| 金額 | 法定雇用障害者数に足りない人数1人につき月5万円 |
| 申告先 | JEED(大阪府の会社は JEED 大阪支部) |
| 申告の時期 | 前の年度の分を、4月1日〜5月15日(原則。2027年は5月17日まで) |
計算のしかた
納付金は、1年分(4月〜翌年3月)の月ごとの不足人数を合計して計算します。
- 月ごとの法定雇用障害者数を出す各月の決まった日(原則は1日か給料の締め日)の常用労働者の数(週20時間以上30時間未満の人は0.5人)× 法定雇用率。1人未満は切り捨てます。除外率が決まっている業種は、先に除外率の分を引いて計算します。
- 月ごとの雇っている人数を出す障がいの種類と働く時間で、2人・1人・0.5人と数えます(数え方の表)。
- 1年分の差に5万円をかける(法定雇用障害者数の1年分の合計 − 雇っている人数の1年分の合計)× 5万円 が納付金です。
計算の例(2026年度分・常用労働者150人の会社)
1年を通して常用労働者が150人(全員が週30時間以上)、障がいのある社員が1人(週30時間以上・重度ではない)の会社の例です。
| 月 | 法定雇用障害者数 | 不足 | 納付金 |
|---|---|---|---|
| 4月〜6月(2.5%) | 150 × 2.5% = 3.75 → 3人 | 2人 | 2人 × 5万円 × 3か月 = 30万円 |
| 7月〜翌年3月(2.7%) | 150 × 2.7% = 4.05 → 4人 | 3人 | 3人 × 5万円 × 9か月 = 135万円 |
| 合計 | 165万円 | ||
同じ150人の会社でも、2.7%になると必要な人数が1人増えます。2026年度分は2.5%のままの場合より45万円増え、1年を通して2.7%になる2027年度分からは、1年で60万円増えます(ほかの条件が同じ場合)。御社の場合は法定雇用率・納付金シミュレーターで確かめられます。
多く雇っている会社には、調整金・報奨金
| 対象 | 金額 | 申請の時期 | |
|---|---|---|---|
| 障害者雇用調整金 | 常用労働者100人超で、法定雇用率を超えて雇っている会社 | 超えた人数1人につき月2万9千円(各月の超えた人数を1年分足して120人を超える部分は、1人月2万3千円) | 4月1日〜5月15日 |
| 報奨金 | 常用労働者100人以下の月が8か月以上の会社で、障がいのある社員の1年分の合計が、基準(各月の常用労働者数の4%の1年分の合計か、72人の多いほう)を超えている会社 | 基準を超えた人数1人につき月2万1千円(超えた人数の1年分の合計が420人を超える部分は、1人月1万6千円) | 4月1日〜7月31日 |
「納付金を払えばいい」ではない理由
- 納付金を納めても、雇用の義務は残ります。報告の内容から、雇用が特に進んでいない会社には、ハローワークから雇入れ計画作成命令が出ることがあります(命令から企業名の公表までの流れ)。
- 法定雇用率は、2.2%(2018年4月)、2.3%(2021年3月)、2.5%(2024年4月)、2.7%(2026年7月)と上がってきました。払い続けるほど、あとで追いつくのが大変になります。
- 急いで採用すると、ミスマッチにつながりやすくなります。中小企業の社長からよく聞かれる「払うのと雇うのと、どちらがいいか」への考え方は「納付金を払えばいい」は本当かでお話ししています。
申告の前に確かめたいこと
- 毎月の人数の記録納付金は月ごとに計算します。毎月の常用労働者の数と、障がいのある社員の数(働く時間を含む)を記録しておきます。
- 手帳の確認数えられるのは、手帳などで確かめた方だけです(社員の障害者手帳の確かめ方)。
- ロクイチ報告と同じ数え方障がいのある社員の数え方(手帳・働く時間)は、6月1日の障害者雇用状況報告と同じです。納付金では、これを毎月数えます。報告の内容は JEED にも提供されます(障害者雇用状況報告書の書き方)。
大阪の会社の場合
- 納付金の申告・調整金の申請の窓口は、JEED 大阪支部(高齢・障がい者窓口サービス課。摂津市・ポリテクセンター関西内)です。雇用の相談は、本社を管轄するハローワーク(大阪市淀川区・東淀川区・吹田市はハローワーク淀川、豊中市・箕面市・池田市はハローワーク池田)です。
- 大阪府では、2025年6月1日時点で法定雇用率を達成している会社は41.4%(全国46.0%)でした(大阪の法定雇用率の達成状況)。
- 新大阪・東三国や北摂の会社なら、NEXTぷれいすが、来年の6月1日から逆算した採用の計画づくり、業務の切り出し、採用までお手伝いします(新大阪・東三国/北摂)。
