周りと同じようにできない子どもでした
私は子どもの頃、いまなら発達障害と言われてもおかしくない子どもでした。列に並べない、集団で同じことができない、落ち着きがない。先生にはよく怒られ、「なぜ自分はみんなと同じようにできないんだろう」と思うことがたくさんありました。
そんな私を、愛情をもって温かく受け入れてくれた保育園がありました。多様な子どもを受け入れてくれる園でした。いま振り返ると、その経験がいまの仕事の原点の一つになっています。
福祉の仕事に出会って
福祉の仕事を始めて、まず感じたのは責任の重さでした。命よりも大切なお子さんを、私たちに預けていただく。背筋が伸びる思いでした。
そして、子どもたちへの支援が、本当に楽しかった。怒られることの多かった自分だからこそ、子どもたちの気持ちが少し分かったのかもしれません。目の前の子どもが笑顔になる瞬間、成長する瞬間、親御さんが涙を流して喜んでくださる瞬間。それに立ち会うたびに、これが人にとっての幸せなんだと、心から思いました。
この業界に軸足を置いて、命をかけて働こう。そう決めたのは、このときです。2016年に箕面市で放課後等デイサービスを開き、いまは大阪・北摂で約20の事業所を運営しています。2022年には公認心理師の資格を取りました。
「苦手は個性だから、強みだけ伸ばせばいい」で終わらせない
ノーマライゼーション、インクルージョン、そして障害は個人と環境の関係から生まれるというICF(国際生活機能分類)の考え方。こうした考え方が広がり、誰もが生きやすい社会に近づいているのは、とても素晴らしいことです。
ただ、社会の側が変わることばかりに目が向きすぎていないか、という心配もあります。「苦手なところは環境で補うから、得意なところだけ伸ばせばいい」「苦手は個性だから、それでいい」。そんな言葉を、よく耳にするようになりました。
人には誰にでも、成長したいという気持ちがあります。苦手なことを克服して、できるようになりたいという気持ちもあります。子どもの頃の私が「できなくていいよ、強みだけ伸ばせばいい」と言われても、きっと納得できなかったと思います。かけっこで負けるのが嫌だったから速くなりたかったし、勉強もみんなと同じくらいできるようになりたかった。
本人が「こうなりたい」と思ったことに、「障害があるからできなくていい」ではなく、「工夫と練習と環境で、きっとできるようになる」と言ってあげたい。努力や工夫、環境によって人は変わり、可能性はいくらでもある。心理学の「成長マインドセット」という考え方です。そう思えたほうが、人生に希望が持てるし、自分のことも好きになれるはずです。実際に、この考え方を知ったことがきっかけで就職できた利用者さんもいました。
可能性を信じる人が、まわりにいること
環境の調整や配慮は、もちろん大切です。そのうえで、障害があるからといって、はじめから「この特性は変わらない」と決めつけない。障害のある人にも、あらゆる可能性がある。まわりの人がそう信じることで、誰もが自分の可能性に気づき、自分の未来を選べる社会がつくれると考えています。
NEXTぷれいすの障害者雇用の支援も、この思いから生まれました。企業の皆さまにとって、障害のある方が「お荷物」ではなく「戦力」になる。そのために、働く方の可能性と、会社の可能性の両方を信じて伴走します。
ぷれいすGROUP 代表
公認心理師 磯 隼斗
プロフィール
| 名前 | 磯 隼斗 |
|---|---|
| 役職 | ぷれいすGROUP 代表 |
| 資格 | 公認心理師(2022年取得) |
| 出身 | 大阪府箕面市 |
| あゆみ | 2016年10月、箕面市桜ヶ丘で放課後等デイサービス「Linoぷれいす箕面」を開所。以後、大阪・北摂を中心に、放課後等デイサービス、就労継続支援B型、障害者グループホームなど約20事業所を運営。企業の障害者雇用を支えるサテライトオフィス「NEXTぷれいす」を運営。 |
| 地域活動 | 地元の青年会議所に所属。箕面キューズモールで障害福祉のイベント「ぷれいす祭り」を開催。 |
代表が話し手をつとめる記事は人事担当者ガイドでお読みいただけます。
