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離れた場所で働く障がいのある社員への
指示の出し方・報告のもらい方

「遠隔だと、やり取りが難しそう」。在宅やサテライトオフィスでの障がい者雇用を考える会社から、よくこう言われます。うまくいくかどうかは、始める前に「連絡の道具」「タスクの表」「報告のリズム」を決めておけるかで大きく変わります。

話し手:代表・公認心理師 磯 隼斗(ぷれいすGROUP)

この記事で分かること

離れた場所で働くときに起きやすい3つのつまずき

  1. 分からないことを、その場で聞けない:隣にいれば一言で済む質問が、チャットだと「こんなことを聞いていいのか」とためらわれ、手が止まります。
  2. 仕事が途切れる:振る側が忙しいと、次の仕事が届かず、「やることがない時間」ができます。
  3. 調子の変化に気づけない:顔が見えないと、疲れやしんどさが積み重なってから分かることになりがちです。

どれも、ご本人の力の問題ではなく、しくみの問題です。始める前にしくみを決めておけば、防げます。

始める前に決めておく3つのこと

1. 連絡の道具

連絡に使う道具は、企業さんによって違います。Chatwork、LINE WORKS、LINE、Google Workspace の Gmail。それに、必要なときに Zoom や Google Meet でオンラインのミーティングをしています。(代表 磯隼斗)

新しい道具を入れるより、会社がふだん使っている道具に合わせるほうが、社員の方も返事をしやすく、長続きします。決めておくとよいのは次の点です。

2. タスクの表

タスクの管理や指示は、Googleのスプレッドシートのように、リアルタイムで確認できるタスクの表を使って、何がいつどこまで進んでいるかをその場で管理しながら、随時タスクを振っていくのが一つのやり方です。(代表 磯隼斗)

表があると、仕事を振る側は空いたところに次のタスクを足すだけで済み、ご本人も次に何をすればいいか迷いません。毎日・毎週ある仕事と、手が空いたときに進める「ためておく仕事」を両方載せておくと、仕事が途切れません(業務切り出しのやり方に表の例があります)。

3. 報告のリズム

いつだれから中身
毎日ご本人 → 会社日報(下の項目の例)。タスクの表の更新
週1回会社とご本人(サテライトオフィスなら支援員も)今週の仕事の振り返りと来週の予定。困っていること
月1回〜数か月に1回会社・ご本人・支援する側オンラインの面談。仕事の幅や勤務時間を広げるかの相談

※回数は例です。NEXTぷれいすのサテライトオフィスでは、ご本人から御社へ毎日の日報、サテライトオフィスから週1回の様子のお知らせ、ご希望で月1回のオンライン面談を行っています。

日報の項目の例

日報は長くする必要はありません。毎日同じ項目で、数分で書けるものにします。項目は、会社が知りたいことに合わせて変えます。NEXTぷれいすでも、会社ごとに日報の項目を決めています。

項目書き方の例
今日やった仕事求人の更新 3件/経費の入力 15件
進み具合経費の入力は残り10件。明日の午前に終わる予定
困ったこと・質問領収書が2枚読めないので、どうすればいいか教えてください
明日の予定経費の入力の残り、Instagram の下書き
体調(書ける範囲で)5段階で「4」。少し疲れたが大丈夫

※項目は例です。体調の欄は、ご本人が書ける範囲で。書かないことを責めないようにします。

伝わる指示の7つのコツ

  1. 文字で残す口で伝えたことも、チャットに一行残します。あとで見返せることが、安心につながります。
  2. できあがりの見本を見せる「いい感じに」ではなく、完成した見本を一つ渡すのがいちばん早く伝わります。
  3. 締め切りと優先順位をつける「今日中」「今週中」「手が空いたら」のどれかを、必ず添えます。
  4. 一度に一つずついくつも頼むときは、番号をつけて順番を決めます。
  5. 伝え方をその人に合わせる文字や図のほうが入りやすい人もいれば、話して聞くほうが分かりやすい人もいます。あいまいな指示は苦手でも、具体的に伝えればどこまでも深く進められる人もいます。
  6. 質問していい時間を決める「10時と15時に、まとめて質問を受けます」と決めておくと、聞くほうも答えるほうも楽になります。
  7. 変更は、変わったところだけはっきりとやり方を変えるときは、前と何が違うのかを書いて伝えます。

NEXTぷれいすのサテライトオフィスでは、支援員がご本人の得意・苦手な指示の受け方を見て、「この方にはこういう伝え方が合っていそうです」と会社にお伝えし、必要な手順書を一緒につくります。

最初の1か月の進め方(例)

時期すること
1週目連絡の道具とタスクの表の使い方を一緒に確かめる。仕事は1種類だけ。毎日の終わりに短く振り返る
2週目同じ仕事を、一人で進める時間を増やす。質問は決めた時間にまとめて受ける
3週目2つ目の仕事(ためておく仕事)を足す。日報で、進み具合と困ったことを書いてもらう
4週目1か月の振り返り。仕事の量、指示の伝わり方、勤務時間がご本人に合っているかを、会社・ご本人・支援する側で話す

※進み方は人によって違います。早く慣れる方もいれば、もっと時間が必要な方もいます。

顔が見えなくても、調子の変化に気づくには

サテライトオフィスなら、支援員が毎日そばにいて、調子の変化に早く気づき、ご本人と会社の間に入ります。

会社の情報を守りながら任せる

本社とのつながりをつくる

離れた場所で働いていても、「この会社の一員だ」と感じられることが、長く働き続ける力になります。NEXTぷれいすでは、ご本人と一緒に本社に伺い、本社の方と仕事の打ち合わせをする機会をつくっています。本社が離れている会社とは、ふだんはオンラインで打ち合わせをし、数か月に1回、一緒に会社に伺っています。

在宅とサテライトオフィス、どちらから始めるか

仕事を覚えて、指示と報告の流れが安定するまでは、いきなり在宅だとうまくいかないことが多くあります。支援員のいるサテライトオフィスで流れを整えてから、在宅や本社勤務に切りかえる方法もあります(在宅とサテライトオフィス)。

大阪の会社の場合

NEXTぷれいすのサテライトオフィスは、東三国駅から徒歩4分。新大阪・江坂は隣の駅です。近くの会社なら、ご本人と一緒に御社に伺いやすい距離です。大阪以外に本社がある会社とは、オンラインの打ち合わせと、定期的な訪問を組み合わせています(サテライトオフィス)。

東三国のサテライトオフィスなら、支援員が毎日そばにいて、ご本人と会社の間に入ります。

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更新日:2026年10月28日

よくある質問

在宅で働く障がいのある社員との連絡には、何を使えばいいですか?

会社がふだん使っている道具に合わせるのがいちばんです。NEXTぷれいすでお手伝いしている会社では、Chatwork、LINE WORKS、LINE、Gmail などのメールを使い、必要なときは Zoom や Google Meet でオンラインの打ち合わせをしています。

離れた場所で働く社員の仕事の進み具合は、どう把握しますか?

Googleスプレッドシートのように、会社とご本人が同時に見られるタスクの表をつくり、何を、いつまでに、どこまで進めたかを書いてもらいます。毎日の終わりの日報とあわせると、会社が細かく見張らなくても状況が分かります。

いきなり在宅勤務で雇っても大丈夫ですか?

仕事を覚えて、指示と報告の流れが安定するまでは、いきなり在宅だとうまくいかないことが多いです。支援員がいるサテライトオフィスで流れを整えてから、在宅に切りかえる会社もあります。

会社のパソコンや情報を、社外で使わせても大丈夫ですか?

パソコンは会社で用意し、扱える範囲(権限)を仕事に必要な分だけに絞るのが基本です。個人情報が心配な場合は、個人情報を扱わない仕事から始める方法もあります。NEXTぷれいすのサテライトオフィスでは、回線の費用をご負担いただき建物の了承が得られれば、会社専用の回線を引くこともできます。

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