国は、なぜ障害者雇用を進めているのか
障害者雇用促進法は、基本的な理念として、障害のある方が「経済社会を構成する労働者の一員として、職業生活においてその能力を発揮する機会を与えられる」ことを掲げています(第3条)。
国が障害者雇用を進めているのは、障害のある方にも生産活動に参加してもらい、国の経済を強くする一員として社会に参加してもらうためです。そのために企業の配慮が必要だ、ということなんですよね。
だから本来は、その会社にとって必要な、その方が輝ける場所をつくって、活躍してもらい、生産活動に参加して、売上に貢献してもらう。それを企業にお願いしているのが法律なんだと思います。
いま、国が見直そうとしていること
働く場所や業務をまとめて提供し、企業の障害者雇用を支えるサービス(いわゆる障害者雇用ビジネス)について、国は見直しを進めています。2026年8月31日の厚生労働省の審議会(労働政策審議会 障害者雇用分科会)では、事務局から次のような案が示されました。
- サービスを行う事業者に、行政への届出の義務を設け、ガイドラインに沿って運営するよう求める
- サービスを利用する企業には、毎年の障害者雇用状況報告で、就業場所・事業者・業務内容などを報告してもらう
- 利用している企業の名前は公表しない
2026年10月時点では、まだ案の段階で、法律は変わっていません。サテライトオフィスを運営する私たちも、この議論の対象となる事業者です。
本来の目的から外れてしまう形とは
雇用はしていて、会社もそれで満足している。けれど、その仕事が会社の生産活動とまったく関係がなく、お支払いしている給与よりも明らかに低い価値しか生み出していない。そういう状態だと、法律の本来の意図とは違うものになってしまいます。いま問題になっているのは、そこなんですよね。
法定雇用率の数字は満たせても、障害のある方が会社の一員として力を発揮できていなければ、ご本人にとっても、会社にとっても、もったいない状態です。
選ぶなら、見てほしいこと
選ぶのであれば、その会社の業務をちゃんと切り出して、その会社の役に立つ仕事を一緒に考えてくれる。そこまでセットでやってくれるサテライトオフィスがいいと、僕は考えています。だから私たちは、この形でやっています。
代表の考えをもとに、比べるときに確かめたい点をまとめました。
- 御社の業務を切り出してくれるか用意された作業ではなく、御社の部署の仕事から、任せられる業務を一緒に見つけてくれるか。
- 御社の生産活動につながる仕事かその仕事が、御社の売上や部署の負担の軽減につながっているか。
- 働き続けるための支えがあるか支援員が常にいるか。ご本人の様子を、どのくらいの頻度で、どう伝えてくれるか。
- その先を一緒に考えてくれるかサテライトオフィスで終わりではなく、御社の中での雇用(本社勤務など)へ進む道も考えてくれるか。
- 地域の資源とつながっているかオフィスのまわりの地域の就労支援や福祉の資源と、つながりがあるか。
特例子会社との違いは「特例子会社とサテライトオフィス、どちらを選ぶ?」をご覧ください。
サテライトオフィスが合わない会社もある
自社の中で障害者雇用ができそうな会社、つまり業務の切り出しが終わっていて社内の理解も整っている会社には、私たちはサテライトをすすめていません。現場や店舗の業務で切り出したほうが合理的な会社も同じです。必要でなければ提案しないことも多いです。
サテライトオフィスを比べるときは、「サテライトが本当に必要か」から一緒に考えてくれるかどうかも、見てほしいところです。
