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精神障害のある方の雇用で、
会社がつまずきやすい3つのこと

配慮して、働きやすい環境をつくったのに、定着しない。精神障害のある方の雇用で、よく聞くお悩みです。就労継続支援B型を運営し、自社でも精神障害のある方を雇用してきた代表の磯隼斗に、会社がつまずきやすいところを聞きました。

話し手:代表・公認心理師 磯 隼斗(ぷれいすGROUP)

つまずき1:働く準備が整う前に、採用してしまう

一つ目は、採用のミスマッチです。たとえばハローワークを通じて応募された方の中には、働く準備(就労準備性)がまだ整っていない方もいます。まず就労継続支援や就労移行支援で訓練を積んでからでないと、一般の会社で働くのが難しい段階にいる方ですね。

精神障害のある方の中には、自分のことを客観的につかむのが難しい方もいます。ご本人は「もう働ける」「働く力はもう備わっている」と思っていても、周りから見ると、もう少しこういう部分が強くならないと難しい、というラインの方もいるんです。それを面接だけで見抜くのは、なかなか難しい。

働く準備が整っていないと、会社がすごく配慮して、働きやすい環境をつくっても、定着しないということが起きてしまいます。

防ぎ方:人を知ったうえで採用する

NEXTぷれいすでは、面接に同行して、働く準備が整っているかを一緒に確かめます。ぷれいすGROUPの就労継続支援B型で、企業の実際の仕事をしながら準備を整えた方が、企業との面接を経て雇用された例もあります(事例を見る)。

つまずき2:しんどさが言葉にならず、周りが気づけない

二つ目は、特性が理解されていないことです。自分のことは分かっていても、自分がどうしんどいのかを、言葉にしてうまく伝えられない方もいます。言葉にならないので周りの人も気づけず、その方に合う環境を用意できない。これはよくあるパターンです。

防ぎ方:調子を「伝える力」と「受け止める職場」をつくる

ぷれいすGROUPでは、自分の調子に気づく力と、それを人に伝える力を、コミュニケーションの練習で磨いてきました。経理として働く男性は、その日の調子を上司に伝え、受け止めてもらう経験を重ねて、ほとんど休まず働けるようになりました(安定して通えるようになるまで)。

サテライトオフィスでは、支援員が面談とモニタリングでご本人の様子を確かめ、言葉になりにくいしんどさも拾って、御社にお伝えします。

つまずき3:理解のある一つの部署だけに任せてしまう

三つ目は、特定の部署だけに押しつけてしまっている状態です。理解があるのはその部署だけで、会社全体としては、ダイバーシティや障害者雇用、インクルーシブといった考え方をまったく知らない。

会社全体に障害者雇用の理解があるから、その方にとって居心地のいい職場になるわけです。一人だけの理解では社風が変わらず、なじめないこともあると思います。ほかの部署の協力が得られない、という形ですね。

防ぎ方:会社全体の理解をつくる

NEXTぷれいすでは、受け入れる部署だけでなく、一緒に働く社員の方に向けた社内研修も行います。一つの部署の頑張りに頼らない、会社全体の受け止め方をつくります。

知っておきたい、精神障害のある方の数え方

精神障害のある方は、法定雇用率の計算で次のように数えます。短い時間から働き始めて、少しずつ時間を延ばす働き方もしやすくなっています。

週の労働時間数え方
30時間以上1人
20時間以上30時間未満1人(特例。2023年4月から当分の間)
10時間以上20時間未満0.5人(2024年4月から)

出典:厚生労働省

まとめ

精神障害のある方の雇用でつまずくのは、配慮が足りないからとは限りません。採用の段階で人を知ること、しんどさが伝わる仕組みをつくること、会社全体で受け止めること。この3つがそろうと、定着は大きく変わります。

更新日:2026年10月8日

よくある質問

精神障害のある方の雇用が定着しないのは、なぜですか?

よくある原因は3つあります。働く準備が整う前に採用してしまうこと、ご本人のしんどさが言葉にならず周りが気づけないこと、理解のある一つの部署だけに任せてしまい、会社全体の協力が得られないことです。

精神障害のある方は、短時間勤務でも法定雇用率に数えられますか?

週20時間以上30時間未満の短時間勤務の精神障害のある方は、特例で1人として数えられます(2023年4月から当分の間)。週10時間以上20時間未満の場合は0.5人です(2024年4月から)。

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