「苦手は個性。強みだけ伸ばせばいい」の落とし穴
障害のある方の苦手なところは、環境で補う。その分、得意なところを伸ばせばいい。この考え方は、障害のある方が働きやすくなるうえで、とても大切です。
ただ、それだけに焦点が当たりすぎていないか、という心配もあるんです。人には誰でも成長したい気持ちがありますし、苦手なことを克服して、できるようになりたいという気持ちもあります。
私自身、子どもの頃はまわりと同じようにできないことが多い子どもでした。でも「できなくていいよ、強みだけ伸ばせばいい」と言われても、きっと納得できなかったと思います。かけっこで負けるのが嫌なら速くなりたかったし、勉強もみんなと同じくらいできるようになりたかったんです。
成長マインドセットという考え方
心理学には「成長マインドセット」という考え方があります。能力は生まれつき決まっているのではなく、努力や工夫、環境によって伸ばせる、と考えることです。
本人が「こうなりたい」と思ったことに、「障害があるからできなくていい」ではなく、「工夫と練習と環境で、きっとできるようになるよ」と言ってあげられるほうがいい。そう思えたほうが人生に希望が持てるし、自分のことも好きになれるはずです。実際に、この考え方を知ったことがきっかけで就職できた利用者さんもいます。
「変わらない」と思っていた方が、飲食店に就職するまで
発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD)と強迫性障害があり、「これは生まれつきで、変わらないものだ」と考えていた利用者さんがいました。
その方は、代表の講演で「知能や能力、性格は生まれつきで決まるのではなく、努力や環境、工夫によって変わっていく可能性がある」という話を聞きました。そして「そういうことを勉強してみたいので、本を教えてください」と、自分から代表に聞きに来たのです。
そこから、変化が見えはじめました。失敗するかもしれないと避けてきたことに、挑戦してみる。人とのやり取りにも、自分から関わってみる。そうした積み重ねの先に、飲食店への就職がありました。
ぷれいすGROUPでは、働く方ご本人に向けて、マインドセットやセルフマネジメントの研修を毎月行っています(研修)。
会社の中で「決めつけ」が起きるとき
障害者雇用では、会社の側が「障害者雇用だから、この程度の仕事」と、はじめから任せる仕事を決めてしまうことがあります。
上場しているフィットネス事業の会社では、はじめは単純作業を任せる予定でした。けれど働きはじめた方はプログラミングが得意で、労務の手作業を自動でつなぐ仕組みをつくり、いまは社内のシステム開発担当になっています。ぷれいすGROUPでも、26年間ひきこもっていた男性が経理の担い手になり、EC事業の仕事まで任されるようになりました(事例を見る)。
はじめに決めつけていたら、どちらの活躍も生まれませんでした。
配慮と、可能性を信じること。その両方を
環境の調整や配慮は、もちろん大切です。そのうえで、障害があるからといって、はなから特性は変わらないと決めつけない。まわりの人が可能性を信じることで、本人も自分の可能性に気づき、未来を選べるようになる。私はそう考えています。
NEXTぷれいすは、安心して働ける環境をつくると同時に、働く方の「できるようになりたい」を支え、任せる仕事を少しずつ広げていきます。小さく始めて、安定したら広げる。その積み重ねが、障害のある方を会社の戦力に変えていきます(業種別の業務図鑑)。
代表の思いは代表メッセージでもお伝えしています。
