「任せる仕事がない」と言われたら
データの入力や転記など、これまで障害者雇用で任されることが多かった単純な作業は、AIやシステムに置き換わりつつあります。業務の切り出しをしようとしても、「任せる仕事がどんどんなくなっている」という声を、企業の方からいただきます。
だからこそ、AIを活用して、障害のある方の生産性を上げる業務を組み立てることを提案しています。そしてもう一つ、AIには決してできない仕事を業務に取り込むことです。
この2つを、実際の例でお話しします。
1. AIで「人の判断」を具体的にして、任せられる仕事にする
求人のタグラインづくりの例
たとえば求人の掲載です。求人の反応を見てタグライン(キャッチコピー)を考える業務は、標準化するのが難しいんですね。その人のセンスや技術、熟練が必要になります。
でも、AIへの指示文(プロンプト)をつくって、求人のデータを見てタグラインの案を出してもらうAIをつくれば、ある程度、決まった手順にできます。そうすると、障害者雇用でも切り出して任せられる業務になるんです。
あいまいな判断を、AIで具体的にする
人の判断が、かなりあいまいになっている部分を、AIで具体的にする。そういう使い方です。記事をつくって貼り付ける、まさにいま私がやっているような使い方ですね。
「この人にしかできない」と思われていた仕事も、判断の部分をAIが助ければ、手順のある仕事に変わります。任せられる仕事は、なくなるのではなく、形を変えて増えていきます。
2. AIにはできない、「人が手がけたこと」が価値になる仕事
もう一つは、機能としての価値ではなく、気持ちに届く価値です。その方が直接手がけた、というストーリーそのものが価値になる仕事を、業務に取り込むこともできます。
手書きのDM
ぷれいすGROUPでは、営業のDMの文面をAIでつくり、障害のある方が手書きで仕上げて送っています。手書きのDMは開封されやすく、実際にお客さまとのやり取りにもつながりやすいと感じています。業務として、きちんと成果につながる仕事です。
業種ごとの例
- 小売の会社:バックヤードの業務を、私たちのAI活用のノウハウと組み合わせて切り出しました。
- 人材派遣の会社:DMの作成・送信、SNSの動画づくり、一度やり取りしたお客さまへのメールマガジンなど、オンラインでできる営業の仕事を切り出しました。成果が出ると、ほかの部署からも声がかかりました。
得意なことが分かれば、仕事はもっと広がる
上場しているフィットネス事業の会社では、はじめは単純作業を任せる予定だった方が、プログラミングの得意を生かして、労務の手作業を自動でつなぐ仕組みを開発し、いまは社内のシステム開発担当として働いています(事例を見る)。
AIやシステムは、障害のある方から仕事を奪うものではありません。使い方しだいで、会社の戦力として活躍する場を広げる道具になります。
