B型の利用は2027年度にどう変わる?|報酬改定の案(就労選択支援・支給決定・在宅・工賃)Column

監修:公認心理師・サービス管理責任者(福祉の経験10年) / 公開:2026年11月2日

2027年度(令和9年度)の報酬改定に向けて、国はB型についていくつかの案を出しています。利用する方にとっては、受給者証の申請や更新のときに、就労選択支援や市区町村の確認が今より増えるかもしれません。
| 何が変わる? |
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|---|---|
| いつ決まる? | まだ決まっていません(2026年9月時点の案)。国の進め方の案では、次の予定です。
案の中には「将来的に」とされ、時期が決まっていないものもあります。 |
| 今できること |
|
いまB型に通っている方へ
受給者証の更新のときに、就労選択支援で確かめた方を更新の対象にする案は「将来的に」とされ、いつからかは決まっていません。いまの決まりでは、すでにB型を使っている方が更新するときの就労選択支援は、希望すれば使うものです。
この記事は、厚生労働省の報酬改定の検討チームの資料(2026年9月)にある「〜してはどうか」という検討の方向性(案)をまとめたもので、まだ決まったことではありません。決まったら、このページでお知らせします。
この記事の目次
いまと案のちがい(早見表)
| 項目 | いま | 案(2026年9月時点) |
|---|---|---|
| 新しく使うとき | 2025年10月から、原則として先に就労選択支援を利用。50歳以上の方などは、使わずに利用できる | 市区町村がチェックリストで、利用の目的や対象にあてはまるかを確かめる。「働いた経験」の意味をはっきりさせる |
| 受給者証の更新 | すでに使っている方の就労選択支援は、希望すれば使うもの | 将来的に、就労選択支援で確かめた方を更新の対象にする(いつからかは決まっていない) |
| 在宅での利用 | 市区町村が支援の効果があると判断すれば使える(国の決まった基準はない) | 通うのがむずかしい方と、まず在宅から始めて通うことをめざす方(3か月ごとに見直し)に絞る。自宅以外はごく限られた場合だけ(カフェなどは不可) |
| 工賃・報酬 | 基本の報酬は、主に平均工賃月額(利用者に払った工賃の月の平均)で決まる | 支援の時間や障がいの程度なども見る「スコア方式」にする。仕事の収支(生産活動シート)とスコア表を、事業所のホームページで公表 |
B型を新しく使うとき・続けるとき
いまの決まりでは、2025年10月から、B型を新しく使う方は原則として先に「就労選択支援」(働く力や向いている働き方を確かめるサービス)を利用します。50歳以上の方、障害基礎年金1級を受けている方、働いた経験があり年齢や体力の面で一般企業で働くのがむずかしくなった方などは、就労選択支援を使わずにB型を利用できます。
なぜ見直すの?(国の資料にある背景)
国の資料は、B型の費用が令和7年度で約7,151億円(障がい福祉サービス等の費用全体の約15.7%)になり、費用・利用者数・事業所数が毎年増えていること、B型などで不適切な運営をする事業所があると指摘されていることを挙げています。そのうえで国は、障がい福祉全体について「質の高い支援の提供にしっかりと資源が用いられるようにする見直し」が必要だとしています。
B型の使い始めと更新については、市区町村が、就労選択支援が必要かどうかや、すでにB型を使っている方の更新を認めるかどうかを判断しにくく、本来は一般就労・A型・就労移行支援が合うと考えられる方が、そのことを確かめられないままB型を使い続けている場合がある、と資料は指摘しています。
ご本人の希望や状態に合ったサービスにつながるよう、次の案が出ています。
- 市区町村がチェックリストで確かめるB型を新しく申請するとき、市区町村がチェックリストで、ご本人の利用の目的や、対象にあてはまるかを確かめる案です。明らかに合っていないと思われる場合に、市区町村が判断できるようにするためとされています。
- 「働いた経験」をはっきりさせる就労選択支援を使わずにB型を利用できる「働いた経験がある方」を、「会社などと雇用契約を結んで働いた経験がある方」と示す案です。また、仕事や職場が合わなかった、健康上の理由、スキルの面、家庭の事情など、年齢や体力以外の理由で仕事をやめた方は、就労選択支援で課題が確かめられているかを見る案になっています。
- 更新のときも就労選択支援いまB型を使っていて受給者証を更新する方についても、将来的に、就労選択支援で確かめた方を更新の対象にする案です。いつからかは、資料には書かれていません。
なお、A型は予定どおり2027年4月から、新しく使う方も原則として就労選択支援を利用する方向です。
就労選択支援を、ほかの事業所と比べて選べる形にする案
就労選択支援は、ご本人が自分で働き方を選ぶためのサービスです。そのため、利用者を特定の事業所へ送り込むような使われ方は防ぐ必要がある、と資料は書いています。出ている案は5つです。
5つの案(禁止する行為・必ず伝える項目など)
- 自分の法人の事業所だけをくわしく説明する、見学先を自分の法人だけにする、ほかの事業所の情報をわざと伝えない、希望していないのに何度も勧める、といった行為を禁止する
- 事業所の情報を伝えるときは、決まった項目を必ず伝えるようにする(資料では例として、所在地と通い方/定員と空き/支援の内容/訓練や仕事の内容/一般就労へ進んだ実績/工賃や賃金/利用時間/支援の体制、が挙がっています)
- ご本人が最後にどこを希望したか、希望と実際の利用先がちがうときはその理由を、記録に残す
- 紹介先が同じ法人にかたよったときに、就労選択支援の事業所の報酬を減らすしくみを厳しくする。いまは8割をこえたときですが、たとえば3割に引き下げ、関連する法人もふくめる案
- 就労選択支援の事業所ごとに、アセスメント(得意・苦手や働く力の確認)を終えた人数や、同じ法人へ進んだ割合などを公表する
いまの国の通知でも、B型などを利用中の方が、受給者証の更新や事業所の変更を考えるために就労選択支援を使うときは、近くに別の法人の就労選択支援や就労移行支援の事業所がない場合をのぞき、今通っている事業所と同じ法人の就労選択支援は使えないことになっています。B型から別のB型の事業所へ移るとき(事業所を変えるとき)に、案のとおりになれば何が変わるのかは、資料にはまだはっきり書かれていません。
2ndぷれいすでは
2ndぷれいすの就労選択支援も、通うことが前提ではありません。アセスメントの結果、ほかの事業所や一般就労が合っていれば、そちらをおすすめし、つなぐお手伝いをします(就労選択支援について)。
在宅での利用は、タイプを絞って認める案
B型は、事業所に通って利用するのが基本です。コロナ禍をきっかけに、在宅を希望し、市区町村が支援の効果があると判断すれば在宅でも使えるようになりました。ただ、その判断には、今も国の決まった基準がありません。資料には、在宅といいながら仕事や訓練にあたらない活動をさせている事業所がある、という指摘もあります。
案では、在宅で利用できるのを「通うよりも効果がある方」に絞り、次の3つのタイプに限ることが示されています。
- 通うのがむずかしい方障がいが重い方や、離島・豪雪地帯など地理的な理由で通えない方。
- まず在宅から始めて、通うことをめざす方ひきこもりの状態の方など。在宅での支給決定(市区町村が、サービスを使ってよいと決めること)は1回3か月までとし、市区町村が3か月ごとに、支援の効果を見て続けるかを判断する案です。
- 在宅で一般企業に勤めることをめざす方在宅での一般就労を希望し、集中して自分で作業できる方に限る案です。このタイプは原則として就労移行支援だけで、B型は原則として対象外です。
自宅以外の場所での利用は、離島などで通える範囲に事業所がなく、自宅に置けない設備がいる場合のような、ごく限られた場合だけにする案です。その場合も、場所は事業所が用意して、事業所の決まりごとを書いた書類(運営規程)に書くこととし、カフェなどは認めない案です。
申請のときに市区町村が対象にあてはまるかを確かめ、在宅の支援をしたい事業所は、あらかじめ在宅の内容のチェックリストを役所に出す、という流れが案として示されています。また、定員に対して在宅の利用者が占める割合に上限を設ける案もあります(在宅の支援に積極的に取り組む事業所はのぞく)。いま在宅で利用している方がどうなるかは、資料ではまだくわしく書かれていません。
工賃と、事業所の中身が見えやすくなる案

B型の基本の報酬は、いまは主に「平均工賃月額」(利用者に払った工賃の月の平均)で決まります。資料では、工賃だけで評価すると障がいの重い方への支援が正しく評価されない、という指摘が紹介され、いくつもの項目で点数をつける「スコア方式」にする案が出ています。
スコア方式で評価する項目(資料の評価のイメージ)
| 主な項目 | 平均工賃月額/支援の時間(1日の平均の提供時間。障がいの特性で短くなる場合の配慮も検討)/障がいの程度 |
|---|---|
| そのほかの項目 | 地域と連携した活動(施設外就労もここで評価)/一人ひとりに合わせた支援/支援の体制(福祉の経験年数や資格のある職員)/事業の透明性(第三者評価や自己評価)/指定基準を守っているか(守れていない場合は厳しく評価) |
工賃のお金の出どころについても案があります。工賃は、事業所に払われる報酬(公費の給付)ではなく、仕事(生産活動)の収入から払うのが原則です。
- A型と同じように、B型でも「仕事の収支が、払う工賃の合計以上になること」を指定の基準に入れる案
- 仕事の収支をまとめた「生産活動シート」を作って役所に出し、事業所のホームページで公表する案。B型はスコア表の公表も義務にする案
- 事業所の外の企業などで働く「施設外就労」は、行き先ごとに生産活動シートを作って公表する(小さな請負はのぞく)、行き先は役所が決める範囲(県内、事業所から2時間以内など)にする、月に2日は原則として事業所の中で目標の達成度を確かめる、といった案
- B型の第三者評価を「努力義務」(必ずではないが、できるだけ行うよう求める決まり)にする案
これらが決まれば、見学の前に、工賃のもとになる仕事の収支や事業所のスコアを、事業所のホームページで確かめやすくなります。
今から、利用する方・ご家族ができること

- 就労選択支援がどんなものか知っておくB型を新しく使うときの、原則の入口です。案のとおりになれば、将来は更新のときにも関わってきます。
- 前に働いていた方は、雇用契約で働いていたかと、やめた理由を整理しておくいまも、働いた経験があり年齢や体力の面で一般企業で働くのがむずかしくなった方は、就労選択支援を使わずにB型を利用できます。案のとおりになれば、市区町村がチェックリストで、この点をよりはっきり確かめるようになります。
- 相談支援専門員に早めに相談する受給者証の更新の時期や、在宅での利用の続け方は、ご本人の状況で変わります。お住まいの市区町村の障がい福祉の窓口でも確認できます。
工賃のしくみは「B型の工賃はいくら?」、A型とのちがいは「A型とB型の違い」で説明しています。相談員の方は「相談支援専門員・関係機関の方へ」、ご家族の方は「ご家族の方へ」もご覧ください。
見学で聞くこと
- 工賃はどう決まるか(どんな仕事の収入から払っているか)
- 1日に何時間くらい支援を受けられるか
- 在宅で利用できるか、できるならどんな条件か
よくある質問
いまB型を使っています。2027年4月から、更新のたびに就労選択支援が必要になりますか?
2026年9月時点の国の案では、更新のときに就労選択支援で確かめた方を対象にするのは「将来的に」とされ、いつからかは示されていません。いまの決まりでは、すでにB型を利用している方が更新するときの就労選択支援は、希望に応じて使うものです。
在宅でB型を使えなくなりますか?
在宅での利用を一律になくす案ではありません。B型では、通うのがむずかしい方(障がいが重い方、離島・豪雪地帯の方など)と、まず在宅から始めて通うことをめざす方(3か月ごとに見直し)に絞って認める案です。自宅以外での利用は、離島などで通える範囲に事業所がない場合のような、ごく限られた場合だけにし、その場合も事業所が用意した場所に限る(カフェなどは不可)方向です。どれもまだ決まっていません。
報酬改定の内容は、いつ決まりますか?
国の進め方の案(2026年4月)では、2026年12月に報酬・基準の基本的な考え方をまとめ、2027年2月ごろに改定案、3月に告示(国が新しい報酬や基準を正式に示す文書)や通知を出し、4月以降に新しい報酬を適用する予定です。
出典
- 厚生労働省「第64回 障害福祉報酬改定検討チーム(2026年9月28日)資料 就労系サービスに係る報酬・基準について」(資料のページ番号で、支給決定p.33〜35、在宅支援p.16〜19、施設外就労p.29〜30、会計区分p.40〜41、情報公表p.43〜44、就労選択支援の対象者p.49〜51、B型の現状p.78、スコア方式p.89〜90、誘導行為等への対策p.117〜119)
- 厚生労働省「第62回(2026年8月27日)資料2 令和9年度障がい福祉報酬改定に向けた主な論点(案)」(p.2)
- 厚生労働省「第55回(2026年4月28日)資料5 令和9年度障がい福祉サービス等報酬改定に向けた検討の進め方について(案)」(p.1)
※2026年11月2日時点で公開されている資料をもとにしています。制度の内容は変わることがあります。くわしくはお住まいの市区町村の障がい福祉の窓口や、相談支援専門員にご確認ください。
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