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タンパク質は心の栄養? ストレスに強くなる食事法と仕事への効果をわかりやすく解説
目次
タンパク質って心にどういいの?
「最近、元気が出ない」「気分が落ち込みやすい」
そんな心が不調のときは、もしかしたら食事のタンパク質不足が関係しているかもしれません。
タンパク質は、筋肉や皮膚を作る「体の材料」というイメージが強いかもしれませんが、実は心の健康にも深く関わる栄養素です。私たちの脳内で働く「セロトニン」「ドーパミン」などの“心を安定させるホルモン”は、すべてタンパク質から作られています。
つまり、タンパク質が足りないと、脳がうまく働かなくなり、心の不調が起きやすくなるのです。
うつ症状や不安感、イライラなどの背景に、栄養バランスの乱れが関係しているかもしれません。
ストレスや不安を減らすためのタンパク質
私たちの感情や思考は、脳内で分泌される神経伝達物質によってコントロールされています。その代表格が以下の3つです。
セロトニン
「幸せホルモン」とも呼ばれいて、感情を安定させる働きがあります。セロトニンが不足すると、不安感やイライラが強くなります。
セロトニンは、タンパク質に含まれるトリプトファンというアミノ酸から作られます。
ドーパミン
「やる気」や「集中力」に関わるホルモンで、分泌されると気持ちが前向きになります。材料は、チロシンというアミノ酸です。
ノルアドレナリン
「緊張」や「危機回避」に関係するホルモンで、ストレスに立ち向かう力を支えます。これもタンパク質由来のアミノ酸から生成されます。
つまり、タンパク質は“心のホルモンの原料”です。不足すると心が不安定になりやすく、ストレスへの抵抗力も弱くなってしまいます。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、20~40代の男性で1日あたり65g程度、女性で50g程度のタンパク質の摂取が推奨されています(※活動量によって変動あり)。
食事にタンパク質を取り入れる方法
「タンパク質が大事」と分かっても、「何を食べたらいいの?」「食事で足りてる?」と迷う方も多いでしょう。ここでは、日常で取り入れやすいタンパク質の摂取方法を紹介します。
主菜に“タンパク質食品”を必ず1品
・肉類(鶏むね肉、豚ヒレ、牛赤身など)
・魚(鮭、サバ、イワシ、マグロなど)
・卵(ゆで卵、目玉焼き、卵焼きなど)
・大豆製品(豆腐、納豆、厚揚げ、味噌)
・乳製品(ヨーグルト、チーズ、牛乳)
これらを、毎食「主菜」として意識的に取り入れることがポイントです。
間食もタンパク質で
・ゆで卵
・プロテインバーやチーズ
・無糖ヨーグルト+ナッツ
・豆乳
甘いお菓子やパンよりも、こうした間食のほうが心も体も安定しやすくなります。
一日を通して“ちょこちょこ補給”がコツ
タンパク質は一度に大量に摂るよりも、1日3食+間食でバランスよく摂るのが理想です。
例:朝に卵、昼に鶏肉、夜に魚+納豆、間食にヨーグルトなど。
就職活動中の心のバランスを保つための食事法
タンパク質で、折れない心と動ける身体を支える
就職活動や復職に向けた準備期間は、心身ともに多くのエネルギーを必要とする時期です。慣れない面接、履歴書の準備、説明会、エントリーの連続。さらには「自分はうまくやれるのか?」「社会に戻れるのか?」という不安がつきまといます。気づかないうちに心がすり減ってしまうことも少なくありません。
この時期は、精神的なストレスに加えて、生活リズムが乱れやすく、食事の偏りや睡眠不足も重なって、ますます気分の浮き沈みや体調の不調が起こりやすくなります。
そんな不安定な時期こそ、「食べること」が心と体を支える大きな味方になります。特に重要なのが、「タンパク質」をしっかり摂ることです。なぜなら、タンパク質は筋肉や肌を作るだけでなく、心の安定を保つ神経伝達物質(セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンなど)の材料でもあるからです。
タンパク質が心を安定させる理由
タンパク質が分解されると「アミノ酸」になります。中でも、心の健康に欠かせないのが「トリプトファン」「チロシン」などのアミノ酸です。
トリプトファン → セロトニン → メラトニン(睡眠ホルモン)
チロシン → ドーパミン・ノルアドレナリン(やる気・集中・快感に関係)
つまり、タンパク質が不足するとこれらの神経伝達物質が作られにくくなり、「不安感」「イライラ」「意欲低下」「睡眠障害」などの心の不調が起きやすくなるのです。
就職活動や復職のタイミングで「なんだか落ち込みやすくなった」「集中できなくて履歴書が進まない」などと感じたときは、単にメンタルの問題と捉える前に、“タンパク質が足りているか?”という視点で自分の食事を見直すことが有効です。
緊張が続く日は「昼食にしっかりタンパク質」を
緊張状態が続くと、私たちの体はエネルギーを多く消費します。タンパク質は筋肉の回復だけでなく、ストレスに対抗するホルモン(アドレナリンやコルチゾール)にも関わっているため、「ストレスに強い身体づくり」に不可欠です。
とくに昼食は、午後の活動の集中力や持続力を左右する重要なタイミング。タンパク質を中心とした食事を意識的に摂ることで、エネルギーの枯渇を防ぎ、心を落ち着かせる効果が期待できます。
例)タンパク質たっぷりの昼食メニュー
鶏の照り焼き+雑穀米+野菜たっぷり味噌汁
鮭の塩焼き+納豆+小松菜の胡麻和え
豆腐ハンバーグ+玄米+卵焼き+青菜炒め
しっかり噛んで食べることで、自律神経も安定しやすくなり、午後からの面接や講座、履歴書作成にも集中して取り組めるでしょう。
面接の前夜は「消化に良く、心も落ち着く食事」を
面接前日はどうしても緊張しやすく、食欲が落ちてしまう方も多いかもしれません。でも、そんなときこそ「軽くても栄養が取れる」食事で心と体を整えましょう。
タンパク質は「寝ている間の修復作業」にも使われます。とくに、鶏ささみや豆腐、卵などは消化が良く、夜でも体に負担をかけずにタンパク質を補える優れた食材です。
例)面接前夜のおすすめメニュー
鶏ささみと卵の雑炊+ブロッコリーの胡麻和え
湯豆腐+焼き鮭+玄米おにぎり
鶏団子入りのスープ+ほうれん草のナムル
こうした食事は胃腸にやさしく、安心感を与えてくれるだけでなく、翌朝の目覚めや集中力にも好影響をもたらします。
コンビニでもできる「タンパク質リカバリー」
忙しいときや外出中でも、コンビニで手軽にタンパク質を摂ることができます。最近では「高たんぱく」「低脂質」と書かれた商品も増えているため、選ぶときの参考にしましょう。
おすすめ組み合わせ例
サラダチキン+ゆで卵+野菜スープ
プロテインヨーグルト+バナナ+小魚入りナッツ
納豆巻き+豆乳+卵焼き
こうしたセットを意識的に選ぶことで、たとえ外食が続いても栄養バランスが崩れにくく、心の調子を一定に保つサポートになります。
タンパク質が足りていると、気持ちも体も前向きになれる
タンパク質をしっかり摂っていると、不思議と「がんばろう」という気持ちが湧いてくることがあります。それは単なる気分の問題ではなく、脳の中でやる気や幸福感に関わるホルモンの働きがきちんと機能しているからです。
日中の集中力、疲労感の軽減、夜の睡眠の質。どれも、タンパク質と密接に関わっています。だからこそ、就職活動中のような“踏ん張り時”には、日々の食事を味方につけて、心の安定をしっかりと支えていきたいですね。
今日からできる「たんぱく質習慣」
- 朝は卵やヨーグルト、納豆を必ず1品
- 昼食に魚や鶏肉をメインにしたメニューを選ぶ
- 外食時は「サラダチキン」「プロテイン入り」表示をチェック
- 間食はナッツやゆで卵、チーズなどたんぱく質系に
- 就寝前にホットミルクや豆乳を少し飲んで心を整える
就職活動を乗り越えるには、強い意志やスキルだけでなく、「安定した心」と「元気な体」があってこそ。今日からでもできる食事の工夫で、内側からあなたを支える準備を始めてみませんか?
タンパク質のチカラは、あなたの未来の一歩をしっかりと後押ししてくれるはずです。
まとめ:タンパク質で心と体をサポート
「心が疲れているとき、体も元気がない」
「やる気が出ないときは、ご飯を作るのもしんどい」
そんなときこそ、タンパク質を意識した食事で、自分の心と体をやさしく整えてあげましょう。
難しいことを始める必要はありません。
まずは1日1回、納豆でも卵でもいいので、“タンパク質を1品足す”ことからスタートしてみてください。
心が回復するには、時間も栄養も必要です。
毎日の食事は、心と体を少しずつ回復させていく“セルフケア”の時間でもあります。
自分の心に寄り添う栄養を、今日から少しずつ取り入れてみませんか?